特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
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大学三回生の春に、ゼミの女の子から借りたのがその本だった。 本の貸し借りというものはあまりしないのだけど、彼女とはたまに貸したり借りたりをして、数少ない読書趣味を共有できる相手だったかな。可愛い顔をした彼女は、いつのまにかゼミの男の子と付き合っていて、いつのまにかうんざりして別れていたっけな。初めて読んだその本は、僕が過ごしたいと思っていたような大学生活が綴られていて、春から冬にうつる季節の早さと4年間の短さを僕に教えてくれた。

大学を卒業する前に読み返したのも、その本だった。 その時は彼女に借りるのではなく、自分で買って読んだ。初めて読んだ時から、大学を卒業する前に読み返したいなとずっと思っていた。ああ僕もこれから社会人になってしまうのかという思いを持ちながら、あっという間に終わってしまった大学生活を懐かしむかのように読んだ。

そのあと6年くらい経って今に至るのだけど、あの時怖いと思っていた砂漠はあんまり怖いところじゃなくて、多分もっと楽しい場所なんだろうなと最近は思う。「なんてことはまるでない、はずだ。」ということを僕は心の底でどこか期待していて、「やっぱりそうじゃなかったかも」なんていう思いもあったのだけど、それでも諦めずに考え続けて、動き続けてよかったなと思う。

そんなことを思わせてくれたその本は今も僕の本棚にあって、砂漠で迷いそうになる僕に、たまに勇気と少しのやる気をくれる。

砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

  • 作者: 伊坂幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/06/29
  • メディア: 文庫
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